日本財団 図書館


 

(6)保存されたものを保管する方法(検査、環境条件など)
《the manner in which storage will be maintained》
(including testing,environmental conditions and the like)
記録された情報の保管状況を管理する方法(定期的な検査を含む。)を、両当事者において協議のうえ、「技術的附属書」に規定しておくことが望ましい。
EDI取引であるとかEC(Electronic Commerce)などの検討が各方面で行われているが、第三者機関である電子公証人が、取引当事者から独立した立場で取引デ−タの証明、管理、保管をする『電子公証制度』を導入しようとする新しい試みについての検討が進められている。
「流通性書類」(船荷証券など)のEDI化プロジェクト(例えば「BOLERO」)において『Central Registry』の設置の検討が行われているのは、その顕著な例である。「記録の保存」自体よりも、保存された記録の管理には、その手順を含め種々むつかしい問題がある。EDI取引に関連した重要なドキュメントの保管に際しては、電子公証の機能の利用が、今後、必要となってくると考えられる。EDI取引当事者が、VANの利用に際して、あらかじめ電子公証機能の利用契約を締結しておけば、自動的にそのサ−ビスが選択できる仕組みが、将来的には実現することが考えられる。
このように、『電子公証制度』は、保存された記録の管理のプロシ−ジャ−を第三者機関に委託しようとするものである。この制度が国際的なEDI取引において円滑に機能するためには、国際業界団体のバックアップが必要となる。

 

(注)BOLERO
電子船荷証券を海運の実務環境に導入し、「流通性書類」の代替物の開発を指向するプロジェクトで、BOLEROは、Bills of Lading for Europeの略。
BOLEROでは、メッセ−ジ・セキュリティ・サ−ビスを提供し、貨物の所有権の移転を登録するために、信託第三者による『Registry』サ−ビスの提供が予定されている。
BOLEROプロジェクトにおける『Registry』サ−ビスについては、《第2編・流通性書類関係》−流通性書類に関する調査・研究〔?〕−の第2章各論「?.流通性書類にEDI化への取組み」を参照されたい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION